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INTERIOR SHOP FILE vol.15

今、世界が注目するコンテンポラリー・デザイン - ジョー スズキ | デザインプロデューサー/ 文筆家 -

CONTEMPORARY
DESIGN

デザインプロデューサー/ 文筆家 ジョー スズキが案内する 今、世界注目するコンテンポラリー・デザイン

Drought / we+ (2017年)
Drought / we+ (2017年)
ドラウト/ウィープラス

誤解を恐れず一言でいえば、椅子のかたちをしたブロンズ製の穴だらけの彫刻。ブロンズを流し込む型をつくる際、原型のワックスに高吸水性の樹脂を混ぜるのがポイントで、たっぷりと水を含ませた樹脂が乾燥すると収縮してワックスから抜け落ち、型にいくつもの穴が生まれる。こうして凸凹した独特の表情が完成することに。重さは約30㎏。

お問い合わせ先
ギャラリー田村ジョー
センプレデザイン 03-6407-9061
アートとデザインの間の家具 コンテンポラリー・デザイン

ここ数年、コンテンポラリー・デザインに注目が集まっている。例えばミラノサローネで、 海外メディアが熱心にレポートするのは、大企業の新製品ではない。無名のデザイナーが手掛けた、 アートとデザインの間に位置する家具や照明「コンテンポラリー・デザイン」だ。 今までにない発想や技術などを用いて生まれた、見たことのないかたちをした家具や照明は、 人を魅了する力をもっている。だからコンテンポラリー・デザインの記事が多く書かれるのだろう。 思えば、デザイン史をつくってきたものの多くも、手に届きやすい価格の便利な家具ではなく、 新しい挑戦をした独創的な家具だ。コンテンポラリー・デザイン抜きに、今のデザインを語ることはできない。

日本のデザインスタジオ
we+(ウィープラス)が面白い

海外ではコンテンポラリー・デザインの人気が高い。珍しい家具を集める熱心なコレクターが、 海外には多数存在するのだ。企業がクリエイティブであることをアピールするため、 会社のロビーにこうした家具を置くことも少なくない。自宅に飾り、 他人と違うインテリアを楽しむデザイン好きも、もちろん多い。そのため、 この分野で活動するのは海外デザイナーが大半だ。そのような状況にあって、 近年日本のデザインスタジオwe+が国際的に注目されている。 化学やテクノロジーを使ったデザインが、唯一無二の個性として評価されているのだ。 彼らはこれまで海外のギャラリーを中心に作品を発表してきたが、 2018年秋に活動を始めた東京のギャラリー田村ジョーで、一堂に作品を紹介、 日本のデザイン界に大きな衝撃を与えた。we+を含め、日本のコンテンポラリー・デザインにも、要注目である。

Swarm / we+ (2017年)
Swarm / we+ (2017年)
スワーム/ウィープラス

磁力により、鉄線が構造体に吸着することでフォルムが生まれる作品のシリーズ。鉄線の向きや密度、重なり具合は磁力によって決まり、ひとつとして同じかたちにならない。このシリーズの椅子は、イギリスの有名なデザインサイトDezeenの、「2018年の家具10」に選ばれるなど、国際的に高い評価を得ている。

お問い合わせ先
ギャラリー田村ジョー / センプレデザイン 03-6407-9061
we+
we+

林登志也(左)と安藤北斗(右)により2013年に設立された、 東京を拠点に活動するコンテンポラリー・デザイン・スタジオ。 特殊素材や化学、テクノロジーを活用した実験的なアプローチを追求。 既存の枠にとらわれないデザイン活動を続けている。weplus.jp

以前からあった
コンテンポラリー・デザイン

最近ではコンテンポラリー・デザインと呼ばれているが、デザインとアートの中間に位置する家具は、 古くから存在する。かつては、「デザイン・オブジェクト」や「アート・ファニチャー」と呼ばれたこともあった。 こうした独創的な家具は、景気のよい時期に多く登場するもの。バブルの頃は、 日本の倉俣史朗のデザインが世界を驚かせ、今でも高い人気を誇っている。 右の写真は、2018年秋のギャラリー田村ジョーの第一回目の展覧会のもの。 倉俣の、メッシュ素材やアクリルを使った作品が展示された。 そして木の椅子の表面を焼いたマーティン・バースの椅子も。 コンテンポラリー・デザインの切り口はさまざまで、この多様性が面白い。

ギャラリー田村ジョー
Sing Sing Sing
(写真左・1985年)
DESIGN:倉俣史朗

お問い合わせ先
ギャラリー田村ジョー
センプレデザイン 03-6407-9061
LUNEDI
(写真右・1985年)
DESIGN:倉俣史朗

協力 yamagiwa tokyo(参考品)
Smoke Chair
(写真中央・2002年)
DESIGN:マーティン・バース

お問い合わせ先
moooi TOYO KICTHEN STYLE 03-3400-1040
ギャラリー田村ジョー

田村昌紀(センプレデザイン会長)とジョースズキ(デザインプロデューサー/文筆家)の 二人によって運営されるデザイン・ギャラリー。2018年10月に第一回目の企画展である、 「コンテンポラリー・デザインの現在・過去・未来」でwe+などを紹介。 骨董通りに近いライトボックススタジオ青山で、年に何度かのペースで展覧会を行っていく予定。

Facebook : 「ギャラリー田村ジョー」
Arrangements / FLOS (2018年)
Arrangements / FLOS (2018年)
アレンジメンツ/フロス DESIGNER : マイケル・アナスタシアデス

円形やひし形、直線などの発光する各エレメントを自由に組み合わせて、さまざまなかたちをつくることのできる、光る彫刻のような照明。リボン状のLEDが開発され、初めて製造が可能になった。また、エレメントの組み合わせに対応する技術もすごい。

お問い合わせ先
日本フロス 03-3582-1468

CONTEMPORARY
DESIGN

ショップでも買える
コンテンポラリー・デザイン

デザイン・ギャラリーでなくても
独創的な家具は手に入る

アート性の高い、コンテンポラリー・デザインの家具や照明は、なにもデザイン・ギャラリーだけで 販売されている訳ではない。個性の強いデザインにも関わらず、これまで多くの家具メーカーが大量生産し、 販売を行ってきた。もちろん、日本のインテリアショップでも、魅力的なコンテンポラリー・デザインを 手に入れることができる。おすすめのものをいくつか紹介したい。

SIDE1/ Cappellini (1970年)
サイド1/カッペリーニ DESIGNER : 倉俣史朗

ダリの絵画に登場しそうな、S字に湾曲したシェルフ。正面は白だが側面は黒く、非現実的な雰囲気をより強調している。デザインのアイディアは単純かもしれないが、合板を張り合わせてこのかたちをつくるのに、かなりの技術を要求される。

お問い合わせ先
Cappellini Point Tokyo 03-3462-1713
SIDE1/ Cappellini (1970年)
SPUN / MAGIS (2007年)
スパン/マジス DESIGNER : トーマス・ヘザウィック

高さ65㎝、直径91㎝のコマのような(あるいは、ろくろでつくった器のような)かたちの「椅子」。座るには斜めに倒さないといけない。また遊具のように、座ったまま弧を描いて回転させることもできる。MoMAの永久収蔵品。

お問い合わせ先
MAGIS東京ショールーム 03-3405-6050
SPUN / MAGIS (2007年)
Wiggle Side Chair / vitra. (1972年)
Wiggle Side Chair / vitra. (1972年)
ウィグルサイドチェア/ヴィトラ DESIGNER : フランク・ゲイリー

1960年代に注目を浴びたプラスチック。その次の新素材として、スポットが当たったもののひとつが段ボールだった。何重にも重ねれば丈夫で、軽く安価なうえに、このような複雑なかたちの椅子をつくることも可能。座り心地もなかなかのもの。

お問い合わせ先
hhstyle 青山ショールーム 03-5772-1112
87 Series / BOCCI (2017年)
87 Series / BOCCI (2017年)
87シリーズ/ボッチ DESIGNER : オマー・アーベル

飴細工のように、ガラスを縦に延ばして折りたたむ工程を繰り返してつくり上げた、工芸品のような照明。製造過程でソーダ水を用いていることにより、ガラスの中に空気が入り込み、乳白色のガラスに。こぼれる光は類を見ないもの。

お問い合わせ先
Studio NOI 03-5843-0260
UP5_6/ B&B Italia (1969年)
アップ5_6/ビー・アンド・ビー イタリア DESIGNER : ガエタノ・ペッシェ

ポリウレタンというこの時代の最先端の素材を使ってつくり上げた安楽椅子。この素材の登場で、自由なかたちに家具を製作できるようになった。こうして生まれた曲線だけで構成されたフォルムは、女性のボディラインを連想させるもの。

お問い合わせ先
B&B Italia Tokyo 0120-595-591
UP5_6/ B&B Italia (1969年)
Family Chair / LIVING DINANI (2010年)
Family Chair / LIVING DINANI (2010年)
ファミリー チェア/リビング ディバーニ DESIGNER : 石上純也

日本の新進気鋭の建築家の手による、おとぎ話に出てきそうな、5つの異なるかたちをした繊細かつユーモラスな椅子。背のフレームと脚は金属製の棒で、座と背はメッシュ状の金属でできている。見た目よりも製造するのは、はるかに難しい。

お問い合わせ先
>Boffi Tokyo|è interiors 03-6447-1451
デザインプロデユーサー / 文筆家 Joe Suzukiジョー スズキ

デザイン・インテリアなどライフスタイルを中心に国内外のメディアに寄稿する国際派の文筆家。 長年の取材を元に執筆した『名作家具のヒミツ』(エクスナレッジ社)はAmazonの書籍インテリア部門で ベストセラーとなり、韓国語にも翻訳されている。また、高級家具ブランド数社を集めてのイベントや、 デザイナーとのモノつくり、トークショーの企画など、デザインプロデユーサーとしての顔をもつ。 アート・コレクターで美術業界にも通じており、2018年にギャラリー田村ジョーの活動を開始。

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